大丈夫、積んでる

さうざんどますたーになれなくて

2024-02-01から1ヶ月間の記事一覧

エルヴェ・ル・テリエ「異常【アノマリー】」

面白い。 何ら情報入れないで読んだので、こんな話になるとは予想外だった。解決らしい解決がないから、最後はモヤっとするけど、とはいえ面白いことに変わりはない。ストーリーテリングだったなあ。ミステリーではなく、SFですね。 何を言ってもネタバレに…

栗原ちひろ「サトリの花嫁2」

「私は勝手に医者になり、勝手に恋をいたします。けして、誰かを救うためではございません。私がそうせずにはおられないから、勝手にやるのです!」 恵まれない生活から救ってくれた旦那様の病気を治すために、サトリと呼ばれるほどの観察眼を駆使して医師を…

辻村深月「家族シアター」

真面目な姉を鬱陶しく思う妹。趣味で反発し合う姉と弟。うまく息子と話せない父。娘の考えていることが理解できない母などなど、家族を描く7編の短編集。 どのお話も価値観とコミュニケーションのズレが、ギクシャクを生んでいていたたまれない。家族という…

サンドローネ・ダツィエーリ「パードレはそこにいる」

「あの子どもにどんな運命が待ち受けているか、わかりますか。一生とは言わないまでも、何年も囚われの身になるんです。精神的暴力、肉体的暴力。言われたとおりにできなかったり、逆らったりしたら、いつ殺されるかわからない」 「あなたと同じように、です…

夕木春央「方舟」

「要するにこういうことだな?ここを脱出するためには、誰か一人が、この水没しようとしている地下建築に閉じ込められなければならない。そして、地上に出たとしても、救援を呼ぶにはかなりの時間がかかる。その間は、建物が水没していくのを黙って見ている…

ヨルン・リーエル・ホルスト「警部ヴィスティング 鍵穴」

「政治家のパーナール・クラウセン?でも、もう亡くなったのに?死に方に疑わしい点でも……」「死因は心臓発作だ。だが、不審な大金を遺したんだ。その出所を調べている」「大金ってどのくらい?」「八千万クローネを超える現金が別荘に保管されていた」 亡く…

葉山透「9S<ナインエス> XII true side/ XIII true side」

10年ぶりのシリーズ続編にして完結編。面白かった。 12巻は、これぞナインエスと言っていい、由宇のカッコよさ全開でした。グラキエスという遺産絡みの問題によって、人類滅亡まであと四日に迫る中、彼女がやってくるだけで、あっという間に解決していく様が…

サラ・ヤーウッド・ラヴェット「カラス殺人事件」

「もちろん彼は立場的に"ミッドサマー・ルール"を忘れるわけにはいかない」「何それ?」「テレビでは、刑事が恋しちゃう容疑者は、例外なく犯人だってこと」 英国の田舎町。生態学者である主人公が、開発地域の下調べをしていた頃、依頼主が殺された。主人公…

リン・メッシーナ「公爵さま、いい質問です」

「いったいなぜこんな目にあっても、犯人を見つけようとするんだ?得することなど何もないじゃないか」 「あら公爵さま、いい質問ですね」 19世紀英国を舞台に才色兼備な公爵と深窓の令嬢が殺人事件に挑むコージーミステリーの第二弾。前作は、自分たちの容…

エル・コシマノ「サスペンス作家が殺人を邪魔するには」

ひょんなことから、ダークサイトに元夫の殺害依頼があることを知った。そんな依頼は撤回させないと、安心して子どもを預けられないと思ったサスペンス作家のフィンレイは、同居人のヴェロと一緒に、元夫の殺害を阻止に取り組むというシリーズ第二弾。 前作同…

宮島未奈「成瀬は信じた道をいく」

頭がいいけど、ちょっと変わった発想と行動力を持つ成瀬に巻き込まれた人たちの連作短編第二弾。成瀬と島崎のコンビ「ゼゼカラ」に憧れる小学生、受験の成瀬を心配するお父さん、成瀬のバイト先にクレームを入れる主婦、成瀬と共に観光大使となった女子大生…