大丈夫、積んでる

さうざんどますたーになれなくて

ヨルン・リーエル・ホルスト「警部ヴィスティング 鍵穴」

「政治家のパーナール・クラウセン?でも、もう亡くなったのに?死に方に疑わしい点でも……」
「死因は心臓発作だ。だが、不審な大金を遺したんだ。その出所を調べている」
「大金ってどのくらい?」
「八千万クローネを超える現金が別荘に保管されていた」

亡くなった大物政治家の別荘から10億分の外国紙幣が見つかった。どこから入手したものなのか。検事総長から極秘調査するよう依頼を受けたヴィスティング警部だが、その直後に別荘が放火されて……というお話。

「特定の鍵穴に合う鍵を見つける作業が捜査である」とはよく言ったもので、ひとつひとつ可能性を潰し、積み上げたもののおかげで謎が解けるという展開が大変良かった。特に中盤以降、サスペンス展開も加わって目が離せない。もっとセキュリティ意識持てよとは思うけど。
お金の話から犯罪絡みは想像していたけど、思ってもいない方向に話が進んでいって、最後まで面白かった。このシリーズはいいな。