大丈夫、積んでる

さうざんどますたーになれなくて

2024-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ロバート・クレイス「容疑者」

銃撃戦で相棒を亡くした刑事スコットが、事件の真相を追うために、同じく相棒を亡くした軍用犬マギーとコンビを組むお話。 これは良すぎでしょう。 人も犬も銃撃されたトラウマがあるので、警察の一員として動くには、本当は難しい。でもちょっとずつ絆を深…

アレン・エスケンス「償いの雪が降る」

30年前、女児暴行殺人で終身刑となった老は、癌で余命わずかとなったため、介護施設に移された。大学の課題として、彼にインタビューするジョーは、老人の臨終の供述から事件に疑問を覚えて……と言うお話。 面白かった。 事件の関与を否定しながらも、判決に…

バリー・ライガ「さよなら、シリアルキラー」

124人連続殺人犯の父に育てられた主人公ジャズ。自分は父とは違うことを証明するため、町で起きた殺人事件に挑むお話。 父の呪縛から逃れたいのに、父に育まれた洞察力が生きてしまうというのは皮肉でしかない。 犯人の動きがわかっても、連続殺人を止められ…

ピエール・ルメートル「悲しみのイレーヌ」

もうね、読み始めた時点で不安しかないわけですよ。タイトルが「悲しみのイレーヌ」で、連続殺人の捜査を取り仕切る人の妻がイレーヌって名前なんですから。そう意味では結末は分かっているも同然で、あとはどうなってそこに辿り着くかというお話でした。 「…

リン・メッシーナ「公爵さま、それは誤解です」

行き遅れ令嬢の事件簿シリーズ第三弾(ひどいシリーズタイトルだな)。公爵への想いを振り切るため、他のことで頭をいっぱいにしようと、知り合いが巻き込まれた殺人事件に挑むお話。 今回はめっちゃ楽しかった。主人公のベアトリスに振り回される公爵さまが!…

ジェフリー・ディーヴァー 「エンプティー・チェア」

リンカーンライムシリーズ第3弾。ノースカロライナ州の田舎で起きた女子学生連続誘拐事件に、たまたま訪れていたライムとアメリアが挑むお話。 普段と違う環境、いわゆる「陸に上がった魚」状態のもどかしさたるや。機器もそうだけど、一人で捜査できない以…

とくめい「アラサーがVTuberになった話。」

ブラック企業で心身が病んでいたところを、妹に勧められてvtuberになるお話。VTuberの世界はぜんぜん知らないけど、面白かった。気づいたら最新の4巻まで買ってた。 男Vtuberというだけで、デビューからアンチに絡まれて叩かれまくりで不憫でしょうがないん…

まさきたま「TS衛生兵さんの戦場日記」

「戦争は更に十年は続くだろう。明日も生きていられる保証がないこの場所で突撃兵やって、十年間も生き延びられると思うか?」 前世でFPS廃人だった主人公が転生した先は、前世の知識など役に立たない本物の戦場だった……というお話。 これは過酷。死がこんな…

カレン・M・マクマナス「誰かが嘘をついている」

同級生のゴシップを暴いて恨みを買っていたサイモンが、居残り授業の最中に亡くなり、教室にいた四人の生徒が容疑者となった。証拠はない。だが、彼ら彼女らはサイモンに秘密を握られていることがわかり……というお話。 面白い。 容疑者全員が語り手になるの…

青崎有吾「地雷グリコ」

これは最高に面白かった。 文化祭の出展場所を、抽選ではなくゲームで争うというお話から始まる連作短編5編。 ゲームと言っても難しいものではなく、既存のものに一捻り加えたものばかり。 地雷グリコでは、じゃんけんの「グリコ」に10段下がる地雷を設置で…