大丈夫、積んでる

さうざんどますたーになれなくて

カレン・M・マクマナス「誰かが嘘をついている」

同級生のゴシップを暴いて恨みを買っていたサイモンが、居残り授業の最中に亡くなり、教室にいた四人の生徒が容疑者となった。証拠はない。だが、彼ら彼女らはサイモンに秘密を握られていることがわかり……というお話。

 

面白い。

 

容疑者全員が語り手になるので、何かを隠していることはわかるので、それがバレたらというドキドキがもう。

他人から評価されることの価値が、SNS等によって強くなってしまった現代は、レールから外れることに対するプレッシャーが大きいですよね。学校という空間では特にそう。

このお話の良いところは、周りから爪弾きにされていく彼ら彼女らが、変わっていくところです。悔しさに泣くこともあるけど、周囲の圧に負けず、容疑者同士が手を取り合って前を進む姿は、青春だった。

初めはイケすかない人たちだと思ってたのに、最後の方には、お前らのうちの誰かが犯人とか絶対やめてくれと願いたくなるぐらい、好きになっちゃったもんなあ。この時点で負けですよ(何のだ)

ほんと面白かった。