大丈夫、積んでる

さうざんどますたーになれなくて

サラ・ヤーウッド・ラヴェット「カラス殺人事件」

「もちろん彼は立場的に"ミッドサマー・ルール"を忘れるわけにはいかない」
「何それ?」
「テレビでは、刑事が恋しちゃう容疑者は、例外なく犯人だってこと」

英国の田舎町。生態学者である主人公が、開発地域の下調べをしていた頃、依頼主が殺された。主人公は調査に協力するがアリバイがないことから容疑者となり……というお話。

序盤が面白い。

殺害現場近くにいたことが犯人に気づかれたら狙われるかも、ということで、積極的に捜査に協力するんだけど、情報を提示すればするほど、警察の目が自身に向かっていくもどかしさ。どこを辿っても主人公に戻ってきちゃうんだもんなあ。おもしろおかしく感じてしまうぐらい面白い。

調査に来た刑事、あるいは同僚への恋心と、ロマンス三角関係が出来てくるのは、なんていうか、主人公の生い立ちの秘密(登場人物紹介でネタバレくらった)を描くためのものなんだろうけど、このあたりはちょっと冗長すぎかなあ。ミステリーというよりかは、ハーレクインっぽく感じる。

もうちょっと謎解き要素が多いほうが好みだな。