大丈夫、積んでる

さうざんどますたーになれなくて

リン・メッシーナ「公爵さま、いい質問です」

「いったいなぜこんな目にあっても、犯人を見つけようとするんだ?得することなど何もないじゃないか」

「あら公爵さま、いい質問ですね」

19世紀英国を舞台に才色兼備な公爵と深窓の令嬢が殺人事件に挑むコージーミステリーの第二弾。前作は、自分たちの容疑を晴らすために探偵したけど、今回は自ら事件に関与するというのが大きな違い。

女性が自分を出すなんて許されない時代に、事件を追うなら能動的に動けるとと知ったら(動ける自分がいるとわかってしまったら)、そりゃ危ないとわかっていても関わりたくなるよなあ。

とはいえ、メインは事件よりも公爵さまとの関係性。奇しくも前の社交シーズン中についた身分違いの恋という嘘が、本当になっていくのが面白かった。

普段から傲慢だけど、彼女といる時はより素直な自分を見せてくれると知ったら、しかも素の自分を見せても引かないんですから、そりゃ気になっちゃいますよね。どう思っているのかわからないあたりが、ほんとじれったい。

それにしてもラストは秀逸でした。勝手に動き回って怪我をして、どんな言い訳をするのかと思ったら、いやほんと良かった。