大丈夫、積んでる

さうざんどますたーになれなくて

宮島未奈「成瀬は信じた道をいく」

頭がいいけど、ちょっと変わった発想と行動力を持つ成瀬に巻き込まれた人たちの連作短編第二弾。成瀬と島崎のコンビ「ゼゼカラ」に憧れる小学生、受験の成瀬を心配するお父さん、成瀬のバイト先にクレームを入れる主婦、成瀬と共に観光大使となった女子大生、そして相方島崎のお話。
わが道を進む人とのコミュニケーションは難しく思えるけど、慣れると進む先はわかりやすくなり、察することができるので、結果としてうまくコミュニケーションできるというのが面白い。もちろん、負担はかかるんだけど、ブレない価値観を持つ成瀬がいるから、自分を立て直せるところがあるというのが良かった。
ただ、何を考えてるのかわからないという意味では、お父さんが一番大変ですね。いやほんとに……
観光大使のお話と、なんだかんだで信頼してることが伝わってくる島崎のお話が良かったです。まさか観光大使で見せつけたけん玉が、大トリでつながるとは思わなかった。