大丈夫、積んでる

さうざんどますたーになれなくて

2024-01-01から1年間の記事一覧

片田舎のおっさん、剣聖になる~ただの田舎の剣術師範だったのに、大成した弟子たちが俺を放ってくれない件~

剣の腕はあれど活かせぬまま中年になった男が、騎士団の特別指南役に推薦され、自責の念にかられながら活躍していくお話。なろう既読、書籍版は未読。マンガは、なろう版から結構変わってるけど、テンポいいし、強い人はちゃんと強さが伝わる。良い編集です…

フレディみかこ「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」

様々な人種が集い、見えない階級があるイギリス。そんなイギリスで子育てしている著者フレディみかこが、元底辺中学校に通う子どもと共に、差別やいじめなどに悩みながら乗り越えるエッセイ。というかノンフィクションかな。 子どもは身近な大人の言動をみて…

井上真偽「アリアドネの声」

震災により地下に取り残された女性を助けるため、ドローンで探索することになったが、その女性は見えない聞こえない話せない。どうやって誘導するか、と言うお話。時間との戦い、優先順位の問題、一歩間違えたら終わるという緊張感。無理じゃないと言い続け…

加藤シゲアキ「なれのはて」

たった一枚の絵の展覧会をしたい。が、画家の素性がわからない。展覧会の許可を得るために、正体不明な画家の素性を調べるお話。面白い。文章の硬さが、左遷された主人公の正義感とよく合っている。青臭いまでの理想と、正義が執行されることの影響の問題点…

河﨑秋子「ともぐい」

時は明治。山に籠り、獲物を撃ち、町に下りて仕留めた獲物を売る。そんな無骨な男を描くお話。 街の人の親切な言葉は生き方の違いから響かない、でも町がないと生きていけない。息が詰まるお話だ。 獲物を追う緊張感は、気持ちのいい張り詰め方なのに、これ…

万城目学「八月の御所グラウンド」

中編二篇。高校女子駅伝で、前日にエントリー変更で選手に選ばれた一年生のお話と、お盆期間中に行われる大人たちの草野球話。 駅伝話が大変よくて、これだけで長編にして欲しかった。次の年が楽しみになるお話だなあ。 不思議ネタは、草野球の方が上手くハ…

宮島未奈「成瀬は天下を取りにいく」

頭がいいけど、ちょっと変わった発想と行動力を持つ成瀬に巻き込まれた人たちの連作短編。巻き込まれたという自ら関わったと言う方が正しいか。閉店するデパートに夏を捧げると言って、夏休み毎日デパートに通う姿とか、変な事するんだけど、成瀬が言うなら…

市川憂人「ヴァンプドッグは叫ばない」

マリア&漣シリーズ第五弾。逃げ出した連続殺人鬼ヴァンプドッグを追うお話。警察が包囲網を敷いてるにも関わらず事件が続くという混乱に、現金輸送襲撃団の事件が絡んできて、両方が見えてる読者からすると、面白いったらない。ちょっと都合よく行き過ぎな…

川瀬七緒「四日間家族」

自殺志願者四人が、山奥で捨てられていた赤ん坊を保護をしてしまったら、赤ん坊を捨てた連中から追い回されるお話。展開早いサスペンス。勢いが違う。 性格悪い四人だけど、赤ん坊のためにそれぞれの力を生かしていくというのは良かった。SNSの問題点も描か…

エル・コシマノ「サスペンス作家が人をうまく殺すには」

売れない作家が、ファミレスで編集者と次回作のプロットを練っていたら、それを聞いていたお客に殺し屋と勘違いされ夫殺しを依頼されて…… コメディちっくな始まりだけど、偶然というには踏み込んでるけど、危ない橋を渡っていたら、やってないことがやったこ…

かみはら「元転生令嬢と数奇な人生を1 私のいなかった世界」

「転生令嬢と数奇な人生を」の続編。 平和な雰囲気からの落差が激しい。愛する人をこう言う形で失くすのは、キツいなあ。わかっていても止められないやるせなさ。 とはいえ、本編と比べたら、まだマシなので、続きで甘やかしてほしい。 元転生令嬢と数奇な人…

今村昌弘「でいすべる」

学校新聞の記事にするため、町の七不思議を追ったら、殺人事件とリンクするジュブナイルなオカルトミステリー。 少年探偵団なノリで、事件の謎がつながるワクワクと怪異のドキドキの塩梅が見事。面白かった。 子どもの頃に読んだら、ミステリーとオカルトど…