頭がいいけど、ちょっと変わった発想と行動力を持つ成瀬に巻き込まれた人たちの連作短編。巻き込まれたという自ら関わったと言う方が正しいか。
閉店するデパートに夏を捧げると言って、夏休み毎日デパートに通う姿とか、変な事するんだけど、成瀬が言うならそうかと納得してしまう説得力がある。語り視点の問題だろうけど。ブレない人のかっこよさよ。
ただ最後に成瀬視点の短編があって、彼女は彼女で揺れていて、巻き込むけど覚悟が足りないことが見えてくるのは良かった。
「わたしはずっと、楽しかったよ」
この言葉が、すごい響く。寂しさもあり、嬉しさもあって。
良かったので続編も読む。