もうね、読み始めた時点で不安しかないわけですよ。タイトルが「悲しみのイレーヌ」で、連続殺人の捜査を取り仕切る人の妻がイレーヌって名前なんですから。
そう意味では結末は分かっているも同然で、あとはどうなってそこに辿り着くかというお話でした。
「ブラック・ダリア」等、実際に出版された小説が絡んでくるとか、捻りはあるけどそこまで引き込まれないかな、と思ってからの第二部で趣が変わる。一瞬、混乱した。すごいわ。
でもまあ、結末は……
これ続編があるらしいけど、どうするんだろ。
もうね、読み始めた時点で不安しかないわけですよ。タイトルが「悲しみのイレーヌ」で、連続殺人の捜査を取り仕切る人の妻がイレーヌって名前なんですから。
そう意味では結末は分かっているも同然で、あとはどうなってそこに辿り着くかというお話でした。
「ブラック・ダリア」等、実際に出版された小説が絡んでくるとか、捻りはあるけどそこまで引き込まれないかな、と思ってからの第二部で趣が変わる。一瞬、混乱した。すごいわ。
でもまあ、結末は……
これ続編があるらしいけど、どうするんだろ。
行き遅れ令嬢の事件簿シリーズ第三弾(ひどいシリーズタイトルだな)。公爵への想いを振り切るため、他のことで頭をいっぱいにしようと、知り合いが巻き込まれた殺人事件に挑むお話。
今回はめっちゃ楽しかった。主人公のベアトリスに振り回される公爵さまが!もうニヤニヤが止まらない。
前作で怪我をしたので、ぜんぜん会えないふたりでしたが、そのことが想いを募らせることになるというのは王道ですけど、良かった。
にしても、公爵さまへの想いを忘れるために他のことに没頭しようということで、殺人事件に関わろうとするのが、ベアトリスのおかしなところで。そりゃ公爵さまは放って置けなくなるよなあ。
読者として、公爵が彼女に興味を持ってるのはわかるけど、ベアトリスは身分違いだし勘違いしちゃダメと思ってるというすれ違いが大変良かった。
三部作としてきっちりまとまってたので、これで終わりかと思ったらまだ続くみたいなので、楽しみに待ってる。
リンカーンライムシリーズ第3弾。ノースカロライナ州の田舎で起きた女子学生連続誘拐事件に、たまたま訪れていたライムとアメリアが挑むお話。
普段と違う環境、いわゆる「陸に上がった魚」状態のもどかしさたるや。機器もそうだけど、一人で捜査できない以上、チームワークの大事さが浮かび上がってく。っていうか、警察官らしからぬ人たちや地元の札付きが邪魔すぎますね、これ。
ただ事件が必要以上に拗れてしまったのは、ライムとアメリアの関係の変化で。手術に関しての立場の違いが、事件の判断にも影響するあたりに、二人の関係性に関する想いを感じる。
事件の結末で、ああいうのでも司法取引できちゃうあたり、なんていうか、アメリカって感じ。
ブラック企業で心身が病んでいたところを、妹に勧められてvtuberになるお話。VTuberの世界はぜんぜん知らないけど、面白かった。気づいたら最新の4巻まで買ってた。
男Vtuberというだけで、デビューからアンチに絡まれて叩かれまくりで不憫でしょうがないんだけど、主人公がぜんぜん気にしないのが妙にコミカル。ブラック企業で死にかけたことに比べたら平気というカードは最強過ぎる。声はいいけど、話はさほど面白く無いという低温スタイルが、心地良い不思議。
章が変わるたびに掲示板のスレッドが出てくるんですが、これがまた面白い(読みづらいけどね)。外からはこう見えるのか的な感じで、前の章がまとめられててわかりやすい。初めは叩いていた事務所箱推しの人たちが、無為に燃やされる主人公同情して、だんだん推し始めるのも良かった。
1巻よりも2巻、2巻よりも3巻と、進むほどに良くなるのは、主人公が救われていくお話だからだと思う。
炎上を気にしないというのは、やはり心の何処かが歪んでいるからで、周りの人を守るべく、自分を盾にしすぎるところがある主人公が、事務所の先輩や同僚、他のVtuberとの交流などを経て、少しずつ心を開いていくさまがいいんだよなあ。周りの人たちの優しさが素敵なお話でもありました。
これは続きも読む。
「戦争は更に十年は続くだろう。明日も生きていられる保証がないこの場所で突撃兵やって、十年間も生き延びられると思うか?」
前世でFPS廃人だった主人公が転生した先は、前世の知識など役に立たない本物の戦場だった……というお話。
これは過酷。死がこんなにも間近で、同僚も仲良くなったら、あるいはなる前に死んでいく。衛生兵としてほんの少しだけ優遇されてるけど、生き残ってるのはたまたまと言ってもいい。
前世チートなんてまるでない。
一番キツいのは、この戦争に終わりが見えないことですね。
今日生き残れても、一ヶ月先はわからない。そして10年続いてるなら、10年続くかもしれない。そりゃ諦めの境地になるわ。
まだ、どういう感じに話が進むのかぜんぜんわからないので、続きは読んでみたい。
同級生のゴシップを暴いて恨みを買っていたサイモンが、居残り授業の最中に亡くなり、教室にいた四人の生徒が容疑者となった。証拠はない。だが、彼ら彼女らはサイモンに秘密を握られていることがわかり……というお話。
面白い。
容疑者全員が語り手になるので、何かを隠していることはわかるので、それがバレたらというドキドキがもう。
他人から評価されることの価値が、SNS等によって強くなってしまった現代は、レールから外れることに対するプレッシャーが大きいですよね。学校という空間では特にそう。
このお話の良いところは、周りから爪弾きにされていく彼ら彼女らが、変わっていくところです。悔しさに泣くこともあるけど、周囲の圧に負けず、容疑者同士が手を取り合って前を進む姿は、青春だった。
初めはイケすかない人たちだと思ってたのに、最後の方には、お前らのうちの誰かが犯人とか絶対やめてくれと願いたくなるぐらい、好きになっちゃったもんなあ。この時点で負けですよ(何のだ)
ほんと面白かった。