めちゃめちゃ面白かった。
師の教えに従い山を下りた若き侍が、強さを求めて旅をする物語なんだけど、これまでずっと師匠と二人っきりで過ごしていたから、人と出会うたびに、ちょっとずつ変化していく。
たとえそれが今にも倒れそうな老婆であったとしても、その生き方や覚悟に影響を受けるというか、考え続けることで変化しつつ、そぎ落とされるものがあるんですよね。
いろいろな形の強さがあり、いろいろな形の生きる意味がある。そのことを考えていく思考回路が、とても面白い。やっぱ考えることって面白いんだよなあ。答えが出ないと大変だけど。
禅問答のように考え続けて、ただひとつの欲ともいうべき「強さ」を求めるゼンが、このあとどんな出会いをしていくのか、すっごい楽しみ。
ヴォイド・シェイパ - The Void Shaper (中公文庫)
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2013/04/23
- メディア: 文庫
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