大丈夫、積んでる

さうざんどますたーになれなくて

ヴォイド・シェイパ / 森博嗣

めちゃめちゃ面白かった。

師の教えに従い山を下りた若き侍が、強さを求めて旅をする物語なんだけど、これまでずっと師匠と二人っきりで過ごしていたから、人と出会うたびに、ちょっとずつ変化していく。

たとえそれが今にも倒れそうな老婆であったとしても、その生き方や覚悟に影響を受けるというか、考え続けることで変化しつつ、そぎ落とされるものがあるんですよね。

いろいろな形の強さがあり、いろいろな形の生きる意味がある。そのことを考えていく思考回路が、とても面白い。やっぱ考えることって面白いんだよなあ。答えが出ないと大変だけど。

禅問答のように考え続けて、ただひとつの欲ともいうべき「強さ」を求めるゼンが、このあとどんな出会いをしていくのか、すっごい楽しみ。

Amazon / Kindle / B☆W