大丈夫、積んでる

さうざんどますたーになれなくて

友人キャラは大変ですか? / 伊達康

主人公を支える友人キャラになりたいという少年が主人公のお話。つまりは、「主人公」の友人が主人公です(わかりづらい)。

親友がまるで物語の主人公っぽいという描写に、思わずニヤついてしまう。そうだよなあ、思わせぶりなセリフとか、隠している力とか、普通に接してたら気づくよなあ。プロの脇役として気づかないふりをしつつ、内心ツッコミまくる主人公がたのしい。

ただ、個人的には、これ最後まで脇役キャラのままでいってほしかったなあ。

脇役キャラとして頑張るために、スペック向上を欠かさなかったのはわからなくはないんだけど、「主人公」を食ってしまうほどになると、うーん。

序盤が面白いだけに、終盤がちょっと残念だった。

友人キャラは大変ですか? (ガガガ文庫)

友人キャラは大変ですか? (ガガガ文庫)

 

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アクセル・ワールド(14) 激光の大天使 / 川原礫

ISSキットに寄生されたアッシュを助けるため、まずはアクア・カレントを救出するというお話。

むろん終わるわけはなくて、とりあえず、アクア・カレント救出作戦までとなりますが、何が良かったと言ったら、パドさんのこのため、ってところですよ。ああ、それで……とわかった瞬間にグッとくる。

ただ、皆がハルを頼りにするのはいいんだけど、ハルがそれを受けて、自分がやらなきゃダメなんだ的な思考になってる感じがするので、ちょっと危ういなあ。

それにしてもISSキットを広めようとするマゼンダには、確固たる意志を感じるけど、いったい何なんだろう。共闘せざるを得ないところでの態度は、むしろ仲間意識を思わせるから、彼女は彼女で何らかの正義を抱えてるんだろうなあ。

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僕が恋したカフカな彼女 / 森晶麿

モテすぎて困っている主人が、初めて振り向かれなかった少女に恋をするお話。

ちょっとした日常の謎的なものがあるけれど、それよりもカフカに関する解釈が面白い。そういう視点で読んだことがなかったので、もう一度カフカを読みたくなります(といっても変身ぐらいしか読んだことないけど)。

また、主人公とヒロインの関係がいいんだ。物語が進むにつれて、意識していく、自覚していく、本当に恋していく姿に、頬が緩むばかり。

よいボーイミーツガールでした。

僕が恋したカフカな彼女 (富士見L文庫)

僕が恋したカフカな彼女 (富士見L文庫)

 

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堀川さんはがんばらない / あずまの章

部活必須の高校で、楽なところを探すヒロインが、廃部寸前の弓道部に入る話。

タイトル詐欺もいいところで、がんばらないどころががんばってるじゃないですか!

いや、がんばらない方向にがんばろうとするんだけど、途中からは、もうがんばってるといっても過言じゃない(僕は何を言ってるんだ)。

弓道バカで真面目すぎる先輩、チャライけど仲間に熱い先輩、やさしく頼りになり、でも才能に嫉妬してしまう部長などなど、部活を続けることで少しずつ見えてくる仲間たちとの距離感が素敵。特に弓道バカな先輩との関係は、ね。変に恋愛ものにならないあたりがいいのかも。

先輩からするとかわいくも生意気な後輩なんだろうなと思うけど、自己評価の低さを生意気さで隠しつつ、 部活にも、友人との関係にもまっすぐな女の子が素敵でした。

これはおすすめ。

堀川さんはがんばらない (角川ビーンズ文庫)

堀川さんはがんばらない (角川ビーンズ文庫)

 

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アクセル・ワールド(13) 水際の号火 / 川原礫

まだ続くのか……という思いがないといったら嘘になる。

考えなしとは言わないまでも、知り合いに文化祭の招待状を送ったらどうなるかといったら、ねぇ? 周りが女の子ばかりなんだから、そりゃ視線が厳しくなるわけで、読んでる身としてはニヤニヤだった。

にしても、文化祭とはいえ、これだけの人を集められるのが、今のハルユキの人望だよなあ。ISSは皆の敵ではあるけれど、それでも別勢力同士が協力する体制を作ったところがとてもよかった。このメンバーが協力して戦うってだけで熱くなるものがありますね。

盛り上がり始めたところで終わってしまったので、早々に続きを読みたい。

にしても、ニコがかわいくなっててどうしよう。

アクセル・ワールド13 ―水際の号火― (電撃文庫)

アクセル・ワールド13 ―水際の号火― (電撃文庫)

 

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ソード・オラトリア(7) ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 / 大森藤ノ

ロキ・ファミリア VS タナトス・ファミリア in 人造迷宮クノッソス。なんだけど、うーん、なんだろうな。面白いんだけど、尻すぼみな感じ。

相手のテリトリーで罠にはめられたら、ロキ・ファミリアと言えど追いつめられてしまうという絶望的展開がとても面白いのに、思ったよりも簡単に切り抜けられたというか、ただひたすらに力技って感じだったので、肩透かしを食らった気分。

追いつめられ方が半端じゃなかっただけに、どれだけ盛り上がってくれるのかとワクワクしてたから、余計にそう思うのかも。

いや、面白いんだけどね。

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剣と炎のディアスフェルド / 佐藤ケイ

嫌な予感がひしひしとする。

戦争を回避するため、優秀な兄王子が他国の客将という名の人質になり、兄が戻るまで国を守ろうとする弟がいる。そんな大国だけど、周辺の国が様々な謀略をしかけて、翻弄されていく展開がもう。

味方だと思ってる人が実は……というのは当たり前で、同じく国のためを思ってはいるはずなのにすれ違いによって崩れていくところとか、やるせない。

弟は兄を思い、兄は弟を思っているんだけど、どうしたってお互いの思いを伝える手段がないから、漏れ聞こえてくる情報だけで判断したら、相手が変わってしまったと思うようになるだろうし、ああこの兄弟は、この国はどうなってしまうのか。不安でたまらない。

剣と炎のディアスフェルド (電撃文庫)

剣と炎のディアスフェルド (電撃文庫)

 

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