大丈夫、積んでる

さうざんどますたーになれなくて

荒木あかね「此の世の果ての殺人」

あと2ヶ月で小惑星が日本に衝突し、世界が滅びようとしている中、教習所に通う主人公は、教習車のトランクに死体が詰められていることを発見して……元警察官の教習所教官と生徒が殺人事件を追うお話。第68回江戸川乱歩賞受賞作。

もうすぐ皆死ぬのに、なぜ人を殺すのか。誰が何のために。whoとwhyですね。

元警察官の教官が、ホームズかっていうぐらい観察眼があって、序盤はぐいぐい引っ張っていき、やる気ない主人公がなんだかんだ付き合っていく、と思ってからの展開に目を引く。

途中で出会う人達のキャラクターや生き方がとても良かった。終わりそうな世界だからって、これまでの人生の物語があるんですもんね。
世界が終わるのは確定しているけれど、読後感良かったです。