大丈夫、積んでる

さうざんどますたーになれなくて

信玄忍法帖 / 山田風太郎

信玄の死を隠したい武田と、信玄の死を確認したい徳川が、それぞれが間諜として忍者を放つお話。

早々に退場した信玄だけど、その存在感といったらないな。

恐らくは死んでるであろうと思いながらも、生きている可能性がわずかでもあるだけで動けなくなる家康の必死さが、そう感じさせるのかもしれない。

信玄には、6名の影武者がいたということで、徳川の忍者が暴く度に、仕留めるも影武者も失うという戦いが続き、それがまた歴史の流れとうまく絡み合うんだよなあ。

歴史の裏側でこんなにも忍者が暗躍していたのかと、思わず納得してしまうものがある(むろん創作なんだけど)。

武田側もやられてばかりでなく、徳川に仕返しをして、これまたグロい忍法合戦なわけですが、歴史の流れからしたら、武田は徳川に敗れるわけだから……そうなんだよなあ。

勝頼が信玄の遺言どおり、死を三年隠しきれたらどうなったんだろうなんて考えてしまいました。

信玄忍法帖 (角川文庫)

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