本編終了後の後日談短編集。
落ち着いたお話が多かったですが、初っ端がコミカルすぎてヤバかった。
ほんとうにほんとうの初夜を迎えることになり、でも初夜って何をすればいいんだろう?という花嫁さんが、周囲の人にどうすればいいのかを聞くというね。
うっすらはわかっているというのが、教える側としたら面倒というか、ごまかすことが難しくなり、でもどんなに踏み込んでも、おしべとめしべ的というか、凹凸とかそんな感じでしか言えず、結局花嫁さんに理解されないという展開に笑いが止まらない。
ま、旦那さんからしたら、恥ずかしくも、そんな妻が愛おしく感じちゃうわけですが。
全体的にこの短編集では、デレッデレな夫の姿を見せてくれたクロウだったなあ。妻にもそうだけど、子供にも。いや、子煩悩にはなると思ってたけど、なるほどこうなりますかとニヤリとさせられる。過去のことから、家族に対して、思うところがあっただけに、実際に大切な人が傍にいると……という変化がよかったです。
兄の恋の行方には、似た者同士の譲り合いにいらいらしつつも素敵だなと想ったり、ちょっと切ない兄弟のお話もあったけれど、未来への幸せを感じられるお話ばかりで、とても良い最終巻でした。

(仮)花嫁のやんごとなき事情 ~未来へ続く協奏曲~ (ビーズログ文庫)
- 作者: 夕鷺かのう,山下ナナオ
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2017/02/15
- メディア: 文庫
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