禁忌の陰陽術を研究していた主人公が、陰陽術の使い手や教会から逃れるために、新大陸遠征軍の船に乗り込んだが、新大陸で待ち受けていたのは、巨神と水の檻にとらわれた少女だった……というお話。
これはいいボーイ・ミーツ・ガールでした。
新大陸発見ものとしてのワクワクさはなかったんですが、渡ってきたものと先住民との軋轢と、興味の対象である陰陽術のためなら、そんな軋轢をものともしない主人公のまっすぐさがいい。まあそうなってしかるべき状態だったから、先住民との出会いは、ある意味救いだったもんなあ。
文化の違いもあり、衝突してしまうふたつの勢力は、主人公からすると侵略する側が悪に見えるけれど、むろん言い分はあるわけで、単純に悪と決めづらいものがある。
とはいえ、やり方が汚く見えるのは、単巻ものの短さゆえかな。これたぶん全三巻ぐらいで書かれるお話だと思うんですよ。読んでる間は楽しかったけど、あれってツッコミどころが結構あったので、両方の事情をもっと見せてくれたら、もっと面白くなったんじゃないかなあ。