大丈夫、積んでる

さうざんどますたーになれなくて

紅霞後宮物語 第五幕 / 雪村花菜

政治的な問題から、小玉が動けなくなっているのに、それが却って後宮内で彼女の勢力を伸ばすことになるというのが、大変面白い。

ただ、文林とのすれ違いが……いや、すれ違いというか、もともとあったことが表に出てきたということなのかな。お互い大切な存在で、言葉に出さずとも伝わるものがあるというのは、幻想だったのかしら。そうでないと思いたいけれど、ここで見えてしまった溝は大きい。

視野が狭くなっている文林が、このことに気付くけるのかは微妙なところだよなあ。

途中までが息の合った二人を思わせただけに、溝が見えた時がやるせなかった。ああ、つらい。

紅霞後宮物語 第五幕 (富士見L文庫)

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