大学で非常勤講師をしている主人公だが、社務所に住み込んでいることから、生徒や周りの人たちから奇妙な相談を受けることがあり……という妖かし謎解き物語。
これは奇妙でゾワっとする。
背後に妖かしの存在が感じられる物語だけど、結局のところ何かをしているのは人なわけで、罪を犯す人の考えや行動こそが怖い。ファンタジーなところもありつつ、ホラー要素も強いミステリーってところかな。
語り手である主人公は、ぽわぽわしているので和むんだけど、世間知らずで、何やら暗い過去がありそうなので、周囲に妖かしの存在が感じられると危なっかしく感じて、変にドキドキしちゃう。
また主人公が住み込んでる社務所にいる人(?)や大家と呼ばれる神官さんは、人として描かれてるけど、本当にそうなのか?みたいなあやふやなところもあって、読んでて気持ちが不安定になる。
深いところまではいかないけれど、怪しい雰囲気がとても良いので、続編があったら読んでみたい。できれば、社務所内にいる人たちにフォーカスを当ててほしいなあ。

繰り巫女あやかし夜噺~お憑かれさんです、ごくろうさま~ (マイナビ出版ファン文庫)
- 作者: 日向夏,六七質
- 出版社/メーカー: マイナビ出版
- 発売日: 2016/11/18
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