大丈夫、積んでる

さうざんどますたーになれなくて

熊と踊れ / アンデシュ・ルースルンド

三人の兄弟と幼なじみひとり。二十歳前後の四人が、群から武器を強奪して銀行強盗をするという事実に基づいたお話。

緻密な計画を立てる長男についていけば間違いないと思わせる一方で、どこか隙がある仲間たちの言動にハラハラしてしまう。なんでそんな手がかりに繋がりそうなことをしちゃうかなーみたいな。

ただ、長男が引き締めることで、順調に計画を進めていくのに、その長男の心にほころびが見え始めると……ああ怖い。

これが下巻に入るとさらに大変なことになる。

まとめ役な長男のぐらつきが増えて、家族の絆を強いるようになり……ってところから、過去のアレコレが今の彼を生み出したんだろうなってことも見えて、やるせなくなる。

愛情がゆがんだことによる悲劇という単純なものではないんだろうけれど、でも、やっぱりやりきれない。

熊と踊る、ことはできても、踊り続けることってのはできないんだろうな。

それにしても、ほんと下巻に入ってからは、読む手が止まらなかった。すごいなーこれ。

熊と踊れ(上)(ハヤカワ・ミステリ文庫)

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熊と踊れ(下)(ハヤカワ・ミステリ文庫)

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