大丈夫、積んでる

さうざんどますたーになれなくて

リンドウにさよならを / 三田千恵

亡くなってから二年後に、通っていた高校の地縛霊として目覚めた主人公が、クラスでいじめにあっている少女と友達になるお話。

れいいなあ。かつての想い人を重ねて、同じ後悔をしたくないという思いから、少女を支えて、一方孤独だった少女が、幽霊とはいえ友達ができたことで、少しずつ変わっていく様子がとてもいい。

ふたりの関係が当たり前になるにつれて、募る思いが見えてるのに、そっと視線を外す主人公の複雑な気持ちとか、優しくて、ちょっと切なくて、青春だよなあ。少女に友達ができることを喜びつつ、寂しく思うところとかも。

「謎」がわかりやすかったこともあって、終盤はやや盛り上がりに欠けたけれど、心理描写や青春模様が作り上げる雰囲気は、最後まで良かった。

リンドウにさよならを (ファミ通文庫)

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