私たちは、まだまだいろんなものを託せるのよ。それが宇宙への新しいステップだなんて、最高じゃない。
これは、めちゃめちゃ面白かった! ああやっぱり宇宙ものはいいなあ。
流れ星の発生を予測するWebサービスを運営する主人公が、デブリの不審な動きを発見して……というところから物語が始まるんだけど、これがすごい。
デブリの謎に迫る過程と、デブリを作り出してる、いわゆるテロリストの技術者っぷりが真に迫る。これって普通にすぐそこにある技術だよね? みたいな感じだから、余計そう思うのかも。ワクワクとハラハラが止まらない。
技術者の手腕だけで乗り越えられないのは、個人ではなく国が関わる事柄だからで、有能な人であっても別方面を絡められると途端に脆弱性が浮かび上がるという点が、とてもサスペンスだった。
読み進めれば進めるほど、ページをめくる手が止まらなくなるんですが、何よりもすごかったのは、宇宙を思う人たちの気持ちです。これが、とても、熱い。
デブリによって命の危機にさらされながらも、宇宙への思いを次へと託すために残そうとする人の覚悟、届かなかった夢をもう一度と願って道を誤ってしまう人など、何度じわりとさせられたことか。この人たちみんなが手を取り合える世界であってくれたらと思わずにいられなかった。
超おすすめ。