大丈夫、積んでる

さうざんどますたーになれなくて

さよなら、サイキック(2) 愛と解放の地図 / 清野静

 これは、本当に素晴らしい青春小説だ。主人公に好意を抱く魔女の血を引く少女ロンドと、サイキックな同級生木佐谷樹軍乃の関係がとてもいい。

三角関係ではあるんだけど、女の子同士も仲がいいので、ほほえましく、でもちょっと駆け引きをするような態度にドキッとなり、あーもういいなーと思うばかり。特に序盤の特別事件らしいことが起きてないときの日常シーンは、たまらなく良かった。

「恋をすると能力を失う」という話から、では能力が使えるということは恋をしていないのか、というところで、平凡でヘタレな主人公はゆらゆらしちゃうけれど、思いを見つめて、思いをぶつけて、恋をしていくところがよかったです。

ただ、これで終わりっていうのはなあ。最後が駆け足になっちゃってることと、新しい能力者との話とか、まだまだいろいろありそうなだけに、残念でならない。もっとこのシリーズを読みたかった。 

さよなら、サイキック 2.愛と解放の地図 (角川スニーカー文庫)
 

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