大丈夫、積んでる

さうざんどますたーになれなくて

十二人の死にたい子どもたち / 冲方丁

安楽死を願う少年少女たち。「全員一致」を実行の条件として集まった場に、なぜか一体の死体が見つかって……というところから始まるミステリー。 

死を願っているものの、なかなか「全員一致」にならないあたりは、何とも言えないもどかしさがある。なんでそんなことに引っかかるんだろうと。 

でも、その引っ掛かりから、死ぬ前にスッキリしようってことで、謎を解くための議論が重ねられていく展開は大好き。 

少年少女の語り合いから、それぞれ抱えたものがあるのが見えて、でもその澱があるものたちだからこそ、最後に救いというと大げさだけれども、支えのようなものを感じられるようになっていくのがよかった。ただ、もうちょっとミステリー色が強いほうが好みかな。

十二人の死にたい子どもたち

十二人の死にたい子どもたち

 

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