姿を消してしまったリチャードを追いかけるお話。
正義は情に厚いかもしれないけれど、べたっとした感じではないと思っていたので、リチャードのことを考え続けていく姿には違和感だらけ。こんなBLだったっけ?みたいな。
もしかしてこれは恋なのかと自問するようになるほどだったから、あれれと思ったけど、後々に生い立ちが絡んでくるところで納得。なるほどそれはたしかに正義が、混乱して暴走するわけだ。
リチャードがいなくなったことによる正義の感情の揺れ幅は、かなりの大きさがあったけれど、その混乱の原因を気づかせてくれた人がそばにいるってところに、正義の人間関係の良さがあるよなあ。
リチャードのお師匠さんの性格の良さ(悪さ?)やら、家族の話など、これまで明らかになってなかった過去の因縁は、なんだか時代錯誤ではあるけれど、リチャードならしょうがないと思ってしまう僕がいる。
思いをきめたら、一直線な正義が、リチャードのために動くことで、リチャードもまた過去の因縁にたいする諦めとか逃避とか、そういう気持ちから離れることになったのはよかった。
やっぱりこの二人はこの距離感でいるのが素敵なんですよね。
宝石の絡め方も面白かったし、最後まで楽しかった。
宝石商リチャード氏の謎鑑定 導きのラピスラズリ (集英社オレンジ文庫)
- 作者: 辻村七子,雪広うたこ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2017/02/17
- メディア: 文庫
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