主人公が記憶喪失になったというところから始まったので、どうなるのかと思ったけど、やはり思考は止まらずで面白い。これだけ考えているのに、剣を振るときは無になるというのが強さなんだろうなあ。
ただ、都を目指すということが生み出した結果は……主人公ほどのものであっても、流されざるを得ない状況と、そんなときの彼の心情を思うとやり切れなくなる。
おかげで中盤以降は、どうにもうーんって思ってしまったなあ。
面白さを感じられなくなったのは、考えることをやめたわけではないだろうけれど、これまでのように深い思考にならないこともあるけれど、主人公自身が楽しさを見いだせてないからだとも思いました。
それだけに最後のシーンは、うれしかったなあ。つかず離れずで旅をしてきたノギとなかなか合流しないからやきもきしてたんですもん。
きれいな終わり方ではありましたが、できればこのあとのふたりの様子も見てみたいな。
マインド・クァンチャ - The Mind Quencher (中公文庫)
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2017/03/22
- メディア: 文庫
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