めちゃめちゃ面白かった! いやあ、楊家は強い。
10世紀末の中国で、楊家が仕える宋と、宋の領土を狙う遼の戦いを描くお話なんですが、帝への忠心をもって敵と戦う軍人として、これほどまでに頼りになる人はいなくて、主たる楊業のみならず、七人の息子たちそれぞれが得意分野を持つ強さがあるから、楊家がいれば大丈夫って思えたけど、軍人であることにこだわりすぎたのがいけないのか……強すぎるがゆえに警戒されて味方に足を引っ張られたりするのがやるせない。
それでも初めに仕えていた北漢に比べれば、宋の帝は名君だと思うけど、悲願ってものがあると視野が狭くなるんだなあ。
宋側では楊家が際立っていたけれど、遼側にも名将がそろってて、だからこそぶつかり合った時の戦いが見ごたえあった。いくら楊家が強くとも、宋の軍を率いているわけではないため、どうしたって動くに動けないことがあり、ゆえにいい勝負になったりするんだよなあ。
だからこそ、どんなピンチになっても楊業がいれば、という思ったわけだけど、次第に悪い予感がしていき、それが当たり始めると……胸が痛いったらない。マジつらい。
それでも最後まで軍人としての生きざまを見せる楊家が、本当に熱かった。いいもの読んだ。