大丈夫、積んでる

さうざんどますたーになれなくて

おかえりの神様 / 鈴森丹子

葉月さんの感想をみて手に取りました。

ついてないときに思わずしてしまう神頼み。そんな時に本当に神様が現れたら……恋に悩む男女が繰り広げる連作短編集。

これはいいなあ。ほんのり温かいお話だ。

おじいさんがアレする昔話で出てくる山の神や、どんぶらこな話で出てきた川の神などが、フリーランスとして人と触れ合うお話なんだけど、それぞれ狸やビーバー姿なので、どうにも微笑ましくなってしまう。みんな自称神様なんて信じないしね。

でも、神様といったって何をするわけじゃなくて、はっきりしない心の内を、あるいは隠している心の内を促して聞いて、そう聞いてあげるだけなんですよね。ただ、そのことでちょっとすっきりして、一歩進めるようになるというのが、人と神様の距離感として素敵だと思います。

この人とこの人に縁ができて、その知り合いが別の場所で縁ができる。 そんな縁にほっこりしました。

続編も読んでみる。

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