魔術師は即火刑ということで、魔力があることを隠しながら、父の仇を探す旅にでるロード・ファンタジー。
ペテン師というわりには、悪くなりきれず、むしろ騙されることが多いところに、主人公・ルカの人の好さがうかがえる。なんだかんだで、犬を拾ってしまうところもそうだよなあ。うまいことパトロンを見つけてしめしめと思ってるときとか、読んでる身としては、危なっかしくてしょうがなかった。
で、拾った子犬が、つまりはタイトル通りの何かなんですが、危機察知能力は高いけれど、人間をあまりわかってないので、気づけばルカが大変なことになってたりするのは、妙にコミカル。
周囲の陰謀に気づけば巻き込まれていくので、シリアスなはずなのに、ルカと子犬のサーロのおかげで、ほんわかすることがおおかった。
上巻ラストで、愛らしいお子様な陛下が出てきたので、これはぜひとも守ってほしい。できればもうちょっと味方がほしいなあ。