新大陸に来てからのお話は、とても賑やかだなあ。伝説の銀行強盗との対決やセントラルパークの地図の謎など、複数の依頼をうまい具合にまとめてくれてる。人々の様子とか、セントラルパークの風景とか、いろいろ描写が目に浮かぶのが印象的だった。
印象的といえば、ヴィクトリカの感情がいつも以上に現れてたのも印象的だった。過去を思うがゆえに、時折悲しそうな表情を浮かべたり、九城のことで嫉妬したり。最後の手紙とか、たまらなくて、じんわりしましたよ。
小さな出来事が大きな事件に発展していく様は、少々強引だったけれど、そんな事件に関係する人たちがよい人たちで、楽しかった。何よりお互い大事に思っているふたりの距離が素敵で、読後感がとても良かった。