安楽死を願う少年少女たち。「全員一致」を実行の条件として集まった場に、なぜか一体の死体が見つかって……というところから始まるミステリー。
死を願っているものの、なかなか「全員一致」にならないあたりは、何とも言えないもどかしさがある。なんでそんなことに引っかかるんだろうと。
でも、その引っ掛かりから、死ぬ前にスッキリしようってことで、謎を解くための議論が重ねられていく展開は大好き。
少年少女の語り合いから、それぞれ抱えたものがあるのが見えて、でもその澱があるものたちだからこそ、最後に救いというと大げさだけれども、支えのようなものを感じられるようになっていくのがよかった。ただ、もうちょっとミステリー色が強いほうが好みかな。